国産窓は半外付け、ドイツ型は内付け
ドイツ(欧州)型窓は、日本のコンクリート建物用窓と同じ内付け方式です。
日本の木造建物用窓は特徴的な取付方法と取付位置を採用しています。特徴は外側全周に広がった取付縁と窓枠と一体になった外額です。この取付縁と一体型外額によって、窓を外側に移動し半外付けと言う取付位置にしています。
1970年代に普及したこの方式は以下の長所があります:
• 障子や二重窓用の内窓を取付けるスペースの確保、
• 窓外額の省略、
• 水切りの省略
この半外付け窓は、アルミサッシ専用の形態でしたが、国産樹脂枠窓にも採用されました。
ハウスメーカーにとっては防水施工が簡単に出来、水切り板金工事と窓外額を省略できるのが魅力です。40年以上主流となっている為、内付け窓を知らない人が殆どではないでしょうか。
半外付け窓と内付け窓を比較すると、それぞれ長所短所があります。
家の断熱性能の重要性が低く、引違い窓が主流だった1970年代では、半外付け窓は合理的なデザインでした。しかし、世界的に普及しつつある高性能窓には最適とは言えません。3層ガラスの窓は重いため、外枠の強度を高め、躯体への取付を強くする必要があります。強度が足りない場合は、窓の最大寸法が犠牲になります。実際、最新の国産樹脂枠3層ガラス窓を見ると、窓のせり出しが少なくなっています。
最新の樹脂枠3層ガラス窓の断熱、防音性能は非常に高く、内窓は必要ありません。障子がある家も少なくなってきています。
一体型窓外額は経済的ではありますが、「デザイン的には物足りない」と感じる方も多いのではないでしょうか。カッコ良くする為、窓外額を追加したり、壁を一部ふかしたりする建物も多くあります。
窓の取り外しが難しいため、リフォーム用に外枠を残し、サイズが一回り小さい内付け窓が主要メーカーから提案されています。これからは、最初から窓を簡単に交換できるような家を建てるべきではないでしょうか。